遊び
~遊びとやまっこクラブ~
仲間と共に行う遊び
やまっこクラブでは、子ども達が社会性を学ぶ第一歩として「仲間と共に行う遊び」を大切にし、生きる力を育てるための約150種類の集団遊び・個別プログラムをお子様の目標に合わせて提供しています。
プログラムは運動遊びやチャレンジタイムなど
- 競争、偶然、模倣、めまいの要素別の遊び
- 話し合いをメインに行う遊び
- 協力して行う遊び
- 道具を活用した遊び etc…
集団、チーム、個人での活動で期待される事
- 負けてしまったけど、次があると知る事で自己葛藤や自己抑制が身につく
- みんなで一緒に考え、上手にできた事で自己肯定感が向上する
- 同じチームだから応援しようという気持ちから仲間意識が芽生える
- 順番を決めるのにどうやって決めたら良いかを考える事で自己決定能力が身につく
やまっこクラブで行う遊びには、仲間と共に相談や対話をすることで生まれる自己葛藤や自己抑制から他者感情の理解まで沢山の要素がつまっています。
遊びと発達の関係
話し合いが苦手… 体を動かすのが苦手…
「遊び」の4つの要素
フランスの哲学者 ロジェ・カイヨワは、遊びを4つの要素に分類しています。
競争 | 運動や格闘技、子どものかけっこ等=戦闘本能 |
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偶然 | くじ、ジャンケン、サイコロ遊びなど=決断力・胆力 |
模倣 | 演劇、絵画、つみき、ごっこ遊び等=模倣本能 |
めまい | メリーゴーランド、ジェットコースター、ブランコ等=不快感に耐える忍耐力 |
遊びには、子どもの成長に不可欠な要素が多く含まれている事がわかります。
他者と行う遊びで身につく事
遊びと言ってもテレビゲームやテーマパーク等の体系化された遊びだけではなく、集団での遊びや運動遊びは、きょうだいやお友達などの他者と行う事で、「自己葛藤や自己抑制など様々な経験を積みながら行う事で話し合う力がつく」「遊ぶ事で体力・運動能力の向上ができ、苦手だった運動に挑戦する力がつく」事が期待できます。
また、他者との関わりは相互に刺激し合い、感受性を豊かに育み、コミュニケーション能力や協調性を育てます。
室内プログラム例 ~「電池人間ゲーム」
ルール
- 頭の上にお手玉(電池)を乗せる。
- 障害物の中、お手玉(電池)を落とさないように気を付けながら、チーム全員でゴールを目指す。
※電池が無いと動けないので、落ちてしまった子がいたら、声をかけ合い協力して頭に乗せ直し、一緒に進みゴールする。
ねらい
- ボディイメージのトレーニングや、体幹の向上
- 協調性、他者とのコミュニケーション能力の向上(自分が困った時に助けて貰う、他人が困っている時に助けてあげるという経験を積み、他者との気持ちの良い関わりを知る)
やまっこクラブ内でのお友達との関わり以外にも、地域の児童センターへ遊びに行き、色んな学校や年齢の子たちと遊んだり、各地で行われているイベントへ参加や、工場見学・体験学習(牧場でアイス作り)等、地域の人達と関わる機会を設けながら、他者と関わる楽しさを知り、仲間と共に成長していけるようなプログラムを提供しています。
自然
自然とやまっこクラブ
自然との触れ合い
やまっこクラブでは「自然との触れ合い」を大切にし、子ども達が学校から離れ、人や自然と触れ合う体験をする事で「共に感動する心」「共に生きる心」「豊かな感情」を育てられるプログラムを提供しています。
プログラムは自然体験学習やネイチャーゲームなど
- 五感を活用した体験
- 草花や生き物等の自然と触れ合う体験
- 焚き火や野外料理等の非日常的な体験
- 自然の物を使ったクラフト体験 etc…
集団やグループでの活動で期待される事
- 連帯感や仲間意識を育むと共に、コミュニケーション能力や生活習慣を身に付けられる
- 子ども達の「もっと見たい!」「もっと触れたい!」「もっと知りたい!」の好奇心を引き出す事で考えを深められる
- 子どもの社会性や「思いやり」など豊かな人間性を育み、人間関係形成力を育成できる
- 自己肯定感や道徳観・正義感が身につく
- 様々な経験をすることで、お子様の個性を見つけて活かせる
「春」「夏」「秋」「冬」四季折々の自然の中で、仲間たちと一緒に色んな発見や、体験、経験を積み、楽しく学んでみませんか?
自然と発達の関係
思い通りにいかないと癇癪をおこしてしまう… 人間関係をうまく作れない…
自然体験は人づくりの「原点」
子どもの頃から草花や生き物などの自然と触れ合う機会を多くもつことで、「視る感覚」「聴く感覚」「嗅ぐ感覚」「味の感覚」「触る感覚」いわゆる五感や、お友達とのコミュニケーション能力、自立心、主体性、協調性、チャレンジ精神、責任感、創造力、他者と協働する能力等を育むためには、様々な体験活動が不可欠です。
自然の中でこれまで触れたことのない物に触れながら、その存在を認める経験を積むことで思いどおりにならない状況に直面したときにも対応できる力が付くと期待されています。
また、「人間関係をうまく作れない」「規範意識が欠けている」「ささいなことでも感情を抑えられない」など、様々な課題解決への一つのアプローチとして有効とされています。
プログラム例 ~「木に触れよう」
ルール
- 【ミステリーBOXづくり】
地域のお店で段ボールを貰う所から始め、チームで相談・協力しながら1つのBOXを作ります。 - 【身近な物の感触】
「この水筒はどんな触り心地かな?」など、見た目で感触をイメージしてみたり、実際に触れてみます。 - 【ミステリーBOXの中身と同じ物を探そう】
①で作ったミステリーBOXの中に、木の実や葉っぱを職員が入れておき、子ども達はBOXに手を入れて感触だけを頼りに同じものを探しに行きます。 - 【答え合わせ】
「どんな触り心地だったか?」「どんな物を拾ってきたか」をチームで発表します。
ねらい
- 五感を高め、表現力を豊かにする
- チームで相談・協力する事で、団結力や協調性を学ぶ
成長
成長とやまっこクラブ
その子に合った支援方法
やまっこクラブでは、個々の特性や特徴を「思い込み」として関わるのではなく、認知発達機能の段階など目で見えない部分は、アセスメントツールを活用し、その子に合った方法を探して支援していきます。
アセスメントツール
主に太田ステージ評価を活用し、個別支援計画の作成や個々の認知発達に合わせた支援を支援サイクルで行っています。
支援サイクル
聞き取り(面談)→太田ステージ評価(評価、結果の報告)→個別支援計画→支援→モニタリング→ケース会議→聞き取り(面談)…
職員間だけでなく定期的に面談や会議をご家族や関係機関と行う事で、情報交換や情報共有し、子ども達の輝く未来を育めるよう、より良い環境を作っていけるよう全力でサポートしていきます。
アセスメントと発達の関係
アセスメントとは??
ご本人・ご家族の主訴や環境などの情報を確認し、支援に必要な目標とその内容を明らかにするものです。
支援計画作成の際や支援目標や方針を立てる時に行われ、アセスメントはインフォーマルとフォーマルの2つの側面から実施するのが良いといわれています。
フォーマルアセスメント
- 各種検査などのアセスメントツールの活用(科学的根拠のある物)
インフォーマルアセスメント
- 経過・状態の聞き取り(家庭や関係機関)
- 活動場面などの行動観察
本当に子どもに伝わる伝え方
小児自閉症は、記憶系の能力が高い一方で、シンボル表象の形成不全、すなわち比較の概念や基本的な空間概念などの形成に特異的な障害があると言われています。
自閉症児等のシンボル表象機能(イメージできる範囲)の発達段階をみる評価方法に太田ステージ評価というアセスメントツールがあり、やまっこクラブでは主に太田ステージをフォーマルアセスメントとして活用しています。
太田ステージとは、支援者の思い込みではなく本当に子どもに伝わる伝え方を知る事でよりよい支援に繋げるための評価ともいえます。
太田ステージの評価は大枠でステージⅠ、Ⅱ、Ⅲ-1、Ⅲ-2、Ⅳ、Ⅴ以上の6段階に分けられます。各ステージ別に、治療教育の目標、課題の選定、プログラムの組み立て、留意点が整理されており、その目標は3つの次元から設定されています。
太田ステージ 目標設定の3次元
第1次元 | 認知・情緒発達を促し、自分で行動のコントロールができるようにすること |
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第2次元 | 個々の生活技能を獲得すること |
第3次元 | 異常行動や不適応行動を予防し、減弱すること |
評価と支援
太田ステージの評価のメリット
- その子どものシンボル表象機能の段階分けがわかる
- その子どもの行動の意味がわかる
- 治療教育の手立てがわかる
- 共通の基盤に立って治療教育の適切性が検討できる
- 検査は簡便で短時間で行えて客観性がある
評価をとることにより…
発語があっても意味が通じていなかったのか…
発語はないが理解が出来ていたのか…
- 子どもの言葉の理解範囲を知る事で個々の理解に応じたアプローチができる
- その子にとって理解困難な指示などを周囲が察知し工夫することができる
- 不安を減弱し、適応的なアプローチを目指せる
適切な評価をとる事で、お子様がイメージできる方法を工夫して、課題や目標の設定・具体的な方法の提案を行い、支援に繋げる事ができます。